【EBC】エベレストベースキャンプ概要 ネパールひとりトレック11日間

ネパール

2019年 年末年始の極寒期にエベレストベースキャンプに行ってきました。

ガイドなし・ポーターなし・30歳くらいの女性ひとり(※)・ネパールは4回目?です。

(※ひとりとは言っても、途中で他の人のガイドにしつこくルートなど色々聞いたり、
EBC付近では他のグループについて行かせてもらっていたので、完全にひとりではないです!)




エベレストベースキャンプトレッキング(エベレスト街道トレッキング)とは

Everest Base Camp 略してEBC

エベレストに登る人たちのベースキャンプ地までを目指して、10日間くらい宿泊しながらのトレッキングです。

ベースキャンプもなかなか壮大でしたが、道中の景色もとても素敵です。

ネパールの首都カトマンズから140km離れたルクラまで飛行機で飛んでからスタートになります。
(飛行機を使わない場合は、カトマンズからジープで1日+登山3日くらい?という手段もあります)

ベースキャンプ。オフシーズンなので閑散

アンナプルナベースキャンプ(ABC)と同じで、
レストランや暖かい布団付きのロッジに泊まりながら移動するので、テントや調理器具を運ぶ必要はありません。


ロッジの食堂


なお、いろいろな山々が目の前に広がって、ほんとうに眺めが良かったですが

エベレストは先端の先っぽしか見えない!

それでも他の場所から比べたら「よく見える」方なんだとは思いますが・・・
どこで見たか、エベレストの山だけドーン!とひとつだけ悠々と立っているのを想像していたので..

なんせ、いろいろな6000m とか7000m級の山々に囲まれちゃってるから、
エベレストの頭の先っぽしか見えない!





この山は、途中で見れる「アマ・ダブラム」。
エベレストより、この山のほうがステキでした💖








最短で何日必要?

物理的には、カトマンズから最短で往復10日間で行けるかと思います。
普通は途中で高度順応日を1日〜2日設けるので、12日間くらい。

さらに、トレッキングのスタート地点となるルクラ空港発着の飛行機はキャンセルになる率がとても高いので、予備日を設けると合計13日間くらい・・

私は高度順応日は1日のみ、飛行機は行き帰りともに予定通り飛んだのでカトマンズから11日間でした。(詳細は後述)

標高が高いこと、山の天気は変わりやすいこと、飛行機がキャンセルになりやすいこと、を考えて、
予備日を絶対に設けましょう!

また、ネパールから出国するフライトはフレキシブルチケットにしたり、変更やキャンセル料を確認しておくと安心です。


ベースキャンプまで行かなくても

そんなにまとまった日数を確保できない人は、
ナムチェからちょっとがんばって、「ホテルエベレストビュー」に行くだけでも。(そこからも、エベレストの先っぽと、アマ・ダブラムの最高な景色を楽しめる!)

ナムチェならルクラから登り2日、下山は1日で済むので、10日間も休みがない人はそこまででも!
充分綺麗な山を見ることができます。

さらにもうちょっと先のディンボチェからの眺めも💯



ルクラの時点ですごい
(これは帰りに撮ったので夕焼け)




大きな町、ナムチェ



ディンボチェからの景色😍





高度順応について

スタート地点のルクラ空港で、すでに標高2600mあり、そこから5000mくらいまで上がっていくので、高山病の危険性があります。

高度順応のために、
日程の途中で、2日目に到着するナムチェ(3440m)で2泊するか、
ナムチェは1泊のみでスキップし、4日目にディンボチェ(4410m)で2泊するパターンの人が多かったです。

ナムチェとディンボチェは比較的大きな町(村?)なので、お店などいろいろあって便利だし、
眺めがとてもいい丘があったりするからだと思います。

ナムチェとディンボチェでそれぞれ2泊するか、どちらかだけでも良いと聞いたので、
私はディンボチェだけ高度順応日にして、2泊しました。


ダイアモックスという、高山病の薬も忘れずに・・

カトマンズで相談したネパールの旅行会社の人に、ナムチェについたらダイアモックスを飲み始めるとよい。と聞いたけど、
ナムチェでは身体の変化を感じなかったので(息が上がる以外)、毎日寝る前に半粒飲みました。(半粒で効果があるのかは不明)

ロブチェからちょっと頭痛と吐き気を感じたので、寝る前に1粒飲むようにしました。
(引き返そうか悩んだけど、ロブチェで一晩寝たら吐き気が収まったので続行しました)

途中で会った方々の話によると、ダイアモックスは、就寝中の呼吸を整える?ための薬なので、
日中ではなく、寝る前に飲むものだとのことでした。

私は寝る前に一粒だけでしたが、朝晩1粒ずつ飲んでいる人もいました。
メーカー?によって1粒の量が違うかもしれませんが。
自分の体調に合わせて少しずつ飲めばいいと思います。

※追記
後から調べると、ダイアモックスは、血中に酸素を取り込みやすくするような成分が入っている薬だとか・・いずれにせよ、参考程度にしてください🙋🏻‍♀️ 
何度か使用して、充分効果がある薬だと体感しています。(プラシーボ効果も大事です。)




私の旅程

1日目:カトマンズ〜ルクラ(フライト)、ルクラ〜モンジョ泊[5時間、13km]
2日目:モンジョ〜ナムチェ泊 [5時間、5km]
3日目:ナムチェ〜デボチェ泊 [7時間、10km]
4日目:デボチェ〜ディンボチェ泊 [5時間、10km]
5日目:ディンボチェ泊(高度順応日)
6日目:ディンボチェ〜ロブチェ泊 [5時間、8km]
7日目:ロブチェ〜EBC [6時間?、9km] 〜カラパタール途中まで〜ゴラクシェプ泊
8日目:ゴラクシェプ〜ペリチェ泊 [6時間、12km]
9日目:ペリチェ〜ナムチェ泊 [8時間、20km]
10日目:ナムチェ〜ルクラ泊 [8時間、18km]
11日目:ルクラ〜カトマンズ(フライト)

※距離はmaps.meによる。時間はランチ休憩などを除くだいたいの時間

体力のある人はもっとハイペースで登ることもできるかと思いますが、高度順応のことも考えて・・
ほとんどの人が上記のプランで登っていました。

下りの8日目〜10日目は、毎日長距離で、下りとはいえ体力的にけっこうキツかったです😅
下りは高山病の心配がないので、少し無理して頑張りました。

(数日で天候が荒れると予報が出ていたので、早めにルクラから飛んだ方が良いと思い)




難しさは?

世界的にも人気のルートで、道はよく整備されているので難しくないです。道は!
70歳くらいの方も数名会いました。

ただし! 標高が5000m くらいになるので高山病の危険性があるし、息がつらいです。

そして年末年始の時期は極寒期なのでとっても寒いです。(-20℃くらい)
観光客や地元民も減るので、この時期にガイドなしで単独で挑戦し、行き倒れる人もいると聞きました。😰
寒さと薄い空気が辛くて、途中で諦めて引き返している人もそこそこいました。

私もEBC手前で天気が悪くなり(氷点下の極寒の中、飛ばされそうなほどの強風が発生)、
死にかけてほぼギブアップでした。

寒すぎて、ペットボトルの水が凍る


私は年末年始しか長い休みをとれなかったので、仕方なくこの時期に行きました。

寒いし人は少ないし地面は凍っていて滑って危険だけど・・・空気が澄んでいて山がよ〜く見える😊
ガスによる?強風は1日だけで、雪や雨は一度もありませんでした。

ナムチェより上は、1週間前に降った雪が残っていたり道が凍っていたりしましたが、
たくさん人が通っているので、足が埋まるほどではありませんでした。


カトマンズで2000ルピーで買っておいたアイゼンは、デボチェ周辺で雪がツルツル滑る下り道で、少しだけ使用。
それ以外の場所は、アイゼン無くても頑張れる感じでした。
(アイゼン使ったことがないので、使いどころがイマイチわからなくてあまり出さなかったのもある😅




世界一危険だと噂のテンジン・ヒラリー空港(ルクラ)

ルクラの空港は山の中にあってとても小さく、過去に何度も事故が起きている空港だそうです。

飛行機は20人乗りくらいの小さなプロペラ機のみ。

何度も事故があったので、天気が少しでも悪いとすぐフライト中止にするようにしたそうです。
そう聞くと、ちょっと安心。。

大丈夫、天気が良ければ毎日何便も無事に飛んでいます。

また、とっても揺れると聞いていたのですが、私の乗ったフライトは往復共にそんなに揺れませんでした。
1回だけ、フワッと落ちてゾワッとしたくらい。
他のフライトに乗った人は、かなり揺れて叫び出す人もいたと聞きました。

私は往復共にSummit Airを利用しました。
公式Webページでオンライン予約も簡単だったので良かったです😇




ガイドは必要?

ガイドがいなくても可能、ではあるのですが
年末年始の極寒期なら必要だと思われます!

オフシーズンなので、人が少なくて、ひとりぼっちになる。
分かれ道でどっちに行けばいいか聞ける人がいない。
半分凍った川を渡らなければならない時などの判断。
休業しているロッジの情報など。

あと、ガイドが一緒なら、自分の写真を沢山撮ってくれる🌟

また、単独で行った場合、何かあった時(高山病など)に救助のヘリを誰が呼ぶのかなど周りの人が困ってしまうそうです。

ディンボチェあたりまではひとけもそれなりにあり、15分〜30分おきに人に会ったので、
分かれ道でどっちに行けば良いか聞いたりできて余裕だったのですが、
ディンボチェ以降は人が減ってきて不安になってきて、
EBC付近では結局他の方について行かせてもらってました。(感謝)

9月〜11月のシーズンなら、ガイドなしでも問題ないと聞きました。
(逆に、人が多すぎてロッジが満室になってしまうので、やはりガイドいた方がその辺はスムーズ)

荷物持ちのポーターだけ雇って、付いていくという手もあります。(彼らは道を知っている)

単独で行くのも、どこに泊まろうかなど計画を立てる「冒険ワクワク感」があるので、それはそれでとても楽しいし達成感。

ちなみに途中で会った他の人たちは、ソロの人でも99%ガイドをつけていました。
日本人男性1人だけ、ガイドなしの人に会いました。

ネパールの登山ガイドは本当に訓練された山岳民族など、とても信頼できる方が多いです。
日本語ができる人もたくさんいます。

私はまたEBCに登ることがあるなら、次回はガイドつけようと思います。。


ディンボチェの近く。他の観光客やガイド、ポーターが数名います。
(この後バラバラになって、だんだんひとりぼっちに・・・)





予算は?

カトマンズ〜ルクラの飛行機 片道2万円×2 = 4万円
ロッジの部屋代とご飯、水など 1日4千円×10日 = 4万円
お昼ご飯など 1日千円 ×10日 = 1万円

で、合計9万円くらい。


宿泊代はどこも1部屋500円と激安だったのですが(ドミトリーではなく個室でこの価格ですよ!)、
モノはすべてヘリコプターや人力で運んでいる場所なので、物価が高いです。
ミネラルウォーター1Lが400円、トイレットペーパー1個500円、携帯の充電300円、など!
なにかとお金がかかります。

ガイドの相場はわからないのですが、
途中で会った他の日本人は、ルクラで呼び込みしているガイドとその場で契約し、
ガイド1人+宿代+食事代込みのパッケージで7万円払ったと言っていました。
(カトマンズ〜ルクラの飛行機代は別)




ロッジで食べた、ヤク肉バーガー 700円くらい。
ネパール料理だけでなく、ピザやパスタも、どこにでもある!






現金はいくら持っていけば良いか

ネパールルピーか、USドルがどこでも使えます。
インドルピー、日本円などもたまに使えます。
(インドルピーとネパールルピーは、紙幣もレートも全くの別物です。)

カトマンズにて日本円から換金するか、
カトマンズやナムチェのATMから、クレジットカードでキャッシングもできます。
手数料が都度500円かかりました。

(1年前、インドのデビットカードはネパールでは防犯上の理由でか?使用できなかったのですが、今回は何故か使用できました)

ロッジやお店でクレジットカード等は使用できず現金のみなので、
だいたい1日4000円計算でネパールルピーの現金を持って行き、
あとはUSドルか円を少し予備で持って行くといいと思います。

USドルか円なら余っても困らないので。

ネパールルピーが余ったとしても、カトマンズに戻ってから、
飲みに行ったり、日本食屋さんに行ったり、乱立した山用品店でいろいろ買い物するのも楽しいです😌


EBCのルートがプリントされたTシャツなども良い👌🏻

カトマンズで相談した旅行会社の人には、1日3000円計算で大丈夫と言われたけど、
途中で寒すぎて、暖かい服を買い足したり、
高いトイレットペーパーなどを買ったりしたので、1日3000円計算では ちょっと足りなかったです。

(ルクラからカトマンズへの飛行機を自分でネットで予約するのではなく、
現地で旅行会社で予約するつもりなら、プラス2万円。)

ちなみに
1ネパールルピー = 0.95 円 くらいなので、数字をそのまま日本円として考えて大丈夫です。

500ルピーは500円。

わかりやすくて良い!




服装は

防寒のインナーと厚手のダウン、手袋、ニット帽、ネックウォーマー、登山靴 必須。

ルクラの時点でダウンを着てもいいくらい寒かったです。
ナムチェ付近までは、歩いてる時は長袖シャツだけでも大丈夫。
それ以降は、歩いている時もダウン着ていいくらいでした。

私はスポーツ用防寒インナー+厚手のダウンジャケット+スキーウェアのジャケット。
スキーウェアは防水だしスポーツ用だし良いかなと思ったけど、重いしかさばるので、あまり良くなかったです。
(ただし、デザインが可愛い)

ダウン2枚重ねしてる人もいました。
ユニクロの極暖+ウルトラライトダウン2枚重ねで、良い感じだそうです。
軽いし、温度調節できるので良さそう!

靴下はメリノウールという素材が良いです。
とても厚手で暖かく、なんといっても、臭わない!
ので、洗濯の必要ナシ。

蛇口は凍っていて水は出ないし、洗ったとしても乾かなそうだし、洗濯できる状況ではなかったですが笑

防寒具に関しては、何か足りなければナムチェやディンボチェで買い足せるので、
あまり心配して沢山持っていかなくても、なんとかなるかな?と思います。
登山用品はすべてカトマンズで安く購入できるので、日本からは手ぶらでも大丈夫。
(靴だけは履き慣れたものが良いと思います)




携帯の電波は

途中まで(Dinboche より手前まで)ネパールのNcell という会社の電波が入りました。
そこから先は、エベレスト街道専用Wifiしか繋がりません!

ロッジにて、45日間・10GBで2000円で販売されていました。(もっと短期間で、安いプランもあるみたい)
意外と、みんな買っていました・・・!

電波が入らない状況を楽しむのも山の醍醐味だと思っているので、私は買いませんでした。




終わりに・・・

ディンボチェ以降の強風は本当に辛くて、想像以上に過酷な環境で、
精神的に疲弊し、あ、ほんとに死にそう。もうEBC行かなくていいや、もう折り返して下山しよう・・・
と何度も思ったし、

唇は紫になって死人のような顔色になっていたし、

こんなとこにわざわざ金払って来ている他の観光客も全員バカだ。
と思ったし、

登山中のロッジで他の人も「あと何日で終わる・・・」と指折り数えていたし、

「このトレッキング、人に勧めたいと思いますか??」と何度も聞いてきた人とか、

元旦なのに誰もハッピーニューイヤーと言わなかったり、
(無事に終えてやっと帰れることが嬉しくて、それどころではない)

ルクラの空港に貼ってあったエベレストの写真と共に ”Thank you! See you again!!” というメッセージを見て

「二度と来るか!!」と突っ込んだり


・・・

なのですが、

下山して落ち着くと、「生きるか死ぬかの闘いだ・・・!」とまで思った辛かったはずの思い出を忘れ、
綺麗な眺めや素敵な思い出だけがどんどん湧いてきて

また行ってもいいかな〜

と思ってしまうのが、トレッキングの魅力なんでしょうか?
(と、人に話したら、出産の体験談に似ているねと言われました。)

辛い思い出が薄れてしまった今は、「超過酷だけど、とても良かったよ!」と言えます。

また、何だか分からないのですが、自分の中で確実に何かを得た感覚がします。⛅️🌞✨








ガイドやロッジのスタッフに、日本語を話せたり、簡単な単語を知っている人が多いのですが、
15年前?くらいは日本人が沢山来ていたからだそうです。
世界中から観光客が来る中で、日本人の数がイチバン多かったそうです。

どこかで見た、観光客の出身国ランキングで、今は日本人は5位くらい。
(ちなみに1位はアメリカ)

なんで減っちゃったんでしょう・・・

EBCに限らず、ネパールでのトレッキングは超おすすめです!


2020年は、ネパール観光誘致年!(呼ばれていますよ)




二度と来るか〜!!😨😨
と思ったポスター







おわり








そして3年くらい後にまた行ってしまった時の話はコチラをご参照ください↓






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